奥羽本線大沢駅

観光記録 山形県米沢市
※ こちらは24年11月25日のものです。

 おはようございます。2024年の12月1日から、奥羽本線にある大沢駅は全列車が通過となりました。鉄道での駅利用が出来なくなり、もうすぐ廃止されてしまうのではないかとも思われます。そんな大沢駅を一目見るために、11月中に滑り込んできました。

在来線改札のある
福島駅東口
奥羽本線 大沢駅

 度々取り上げていますが、奥羽本線の福島ー新庄間は「山形線」という愛称が付けられており、山形新幹線も走行します。実はJRの在来線と新幹線は線路幅が異なっており、新幹線の方がやや広めになっています。この山形線は在来線であるものの新幹線が乗り入れるため幅が広くなっています。米沢方面に行く場合、新幹線に乗るときは新幹線ホーム、普通列車に乗る場合は在来線ホームに行く必要があります。福島から米沢方面に在来線で向かうことはあまり多くないとは思いますが、注意が必要です。

奥に新幹線ホームがあり
ここから先で路線がつながります

 7:14福島駅発の米沢行。30分ほどかけて、7:49に大沢駅に到着します。福島を出て笹木野・庭坂までは福島市内の平野部を走行し、民家も見られ本数もそれなりに担保されています。しかし、庭坂を出ると急峻な奥羽山脈に突入、山形県に入ります。一気に秘境感が出て、最初の板谷駅に到着します。板谷峠という峠に位置しており、峠越えの区間です。板谷駅は冬季で全列車通過というかたちであり、利用者が多くないことを物語っています。この板谷駅と庭坂の間には、かつて赤岩駅がありましたが今では廃止されています。山岳区間ということで、利用者の減少が著しいのでしょう。
 また、次の峠駅では珍しいものが見られます。それが、駅売りです。一部列車の発着時間に合わせて「峠の力餅」というものを売ってくれる人がホームにいます。駅売りは今では殆ど見られないので、この区間を普通列車で行き来する場合は必見です。そんな峠駅を越えると、いよいよ大沢駅です。時期が時期なため、多くの人が大沢駅で降りました。

大沢駅
橙色の奥羽本線が山を貫きます

 降りてまず目が付くのは、この屋内のような構造。この付近の駅はこのような屋根に覆われており、これはスノーシェルターというものです。豪雪地帯で冬場には多くの降雪に見舞われるため、その対策となっており、今まで停まってきた板谷や峠も同様のスノーシェルターに覆われています。独特な雰囲気で、どことなくワクワクするような感じです。
 少し歩くとスノーシェルターの外に出られるので、行ってみようと思います。下の写真がブレていて申し訳ないですが、米沢方面に伸びる線路とは別方向にも線路が伸びており、そちらをたどることが出来ます。

奥が米沢方面
正面の光が本線で、そこから左に逸れます
現在の旅客列車は、奥の線路を通ります
先の写真で左に逸れた線路の先
何やら見慣れない列車が留置してありました。

 謎の分岐線に沿って駅ホームから離れると、外に出てホームらしきものが現れます。かつて、この区間、赤岩・板谷・峠・大沢の4駅は、急勾配に伴うスイッチバックの構造となっていました。勾配に伴うスイッチバック方式は箱根登山鉄道のものが有名ですが、この区間でも行われていたようです。この線に入ってホームに到着し乗客の乗り降りをすませ、本線に戻っていたようです。現在は新幹線も走るような区間となることもあり、スイッチバックは行われなくなりました。現在はその時代の遺構として残るのみです。

旧ホーム

 線路にも草が生え、時が止まったかのような雰囲気です。列車が来なくなり、ひっそりと佇む様が印象的でした。

新しいホームの案内看板
駅名を示していたのでしょうか
車止めも年季が入っています。
旧ホームからスノーシェルターの方を見た様子
駅周辺の建造物
忘れ去られたような案内
自然豊かです
謎の建造物
スノーシェルター内へ

 旧ホームは言うまでもなく歴史を感じられるものでしたが、現ホームもなかなかなものです。スノーシェルターに覆われているため日中でも薄暗い雰囲気ですが、それ故の雰囲気というもは確かにあります。

福島方面
待合室

 ということで、8:20発の福島行に乗車して福島へ帰ります。このホームを新幹線が走り抜けてく様は圧巻の光景と言うべきでした。鉄道で行くことは恐らくもう不可能ですが、幸いにも県道が近くを走っているため、付近を訪ねることは出来そうです。廃止ではないですが全列車通過のため車で来て駅構内に立ち入るのは好ましくないかもしれないですが、付近からでも味わえるものがあるかもしれません。ぜひ行ってみて下さい。
 それでは。ありがとうございました。

福島駅にあった、板谷駅冬季列車通過と
大沢駅全列車通過のお知らせ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です