中国周遊④ 江津市・温泉津町
観光記録 島根県江津市・大田市温泉津
※ こちらは26年7月9日のものです。
おはようございます。中国周遊2日目の後編です。舞台は浜田市から江津市へ。11:59波子発の出雲市行の乗車し、目指すは江津駅。12:11の到着。波子も同じ江津市。市内移動ということで、それほど時間もかからず動けました。


江津市の玄関口であり中心駅の江津駅。特急含むすべての定期列車が停車します。島根県中西部に位置する江津市。この街はしばしば、東京から最も遠い街、と称されるそう。以前訪ねた土佐清水市も同様でした。島根県には2つ空港がありますが、東部出雲市と西部益田市に位置し、どちらからも距離があるのが理由でしょう。それでも土佐清水よりは近い気もしますが、とにかく遠い街であることには変わりません。
江津市はまだ歩いたことがなかったので、駅周辺を散策します。駅前を国道9号が走り、飲食店が軒を連ねる中心街も、市役所もショッピングセンターも駅近くに位置する、コンパクトな印象。


1時間以上空きがあるので、駅から少し離れます。暑さが響く坂を越え、江津本町というエリアへ。なかなかレトロな町並みの残る一帯です。日本海沿岸の歴史を語る上で欠かせない、北前船。ここ江津本町も北前船の寄港地として栄えました。海から少し距離があるものの、大きな川幅を誇る江の川が付近まで流れ、船の寄港は難しくありませんでした。米の積出港として栄え、近くの石見銀山・大森地区とともに幕府の直轄地として、大いに賑わったそう。江の川の港で江津という名になったのでしょう。
先に見た通り、現在の中心部は江津駅周辺に移りましたが、それまでは江津市の中心地区であり、昭和初期までの建物も残る風情あるエリア。江津市よろしく赤い石州瓦が目を惹く景観は、天領江津本町甍街道として観光地となっています。1つの通りを歩いただけですが、それでも雰囲気が良く、歩いてみて楽しい街でした。


この江津本町ですが、かつては鉄道が走っていました。江津駅と広島県三次市の三次駅とを結ぶ、JR三江線。今は亡きこの路線において、江津の隣が江津本町でした。廃止は2018年だそうですが、ずっと昔に廃止になったかのように、鬱蒼とした木々がホームであったはずの場所周辺を覆っていました。そばからは江の川がよく見えます。この江の川をひたすら上ると三次市に至ります。江戸時代は多くの北前船が川を経て本町まで来ていたのでしょう。三次にもワニ料理などの文化が残ることを考えると、もっと昔から江の川を登って交易が行われていたのかもしれません。

JR西日本の看板が寂しく残ります


左てには旧線の高架橋跡が残ります

江津駅に戻ってきました。13:34発の出雲市行に乗車。江津市を後にし、舞台は大田市へ。平成の大合併で大田市となりましたが、それまでは温泉津町という別の町でした。温泉の津と書き、ゆのつと読みます。読んで字のごとく、温泉の湧く港町。駅から温泉街まで少し歩きます。

赤瓦の豪華な看板?がありました



温泉のある港・温泉津ですが、ただの温泉でなければただの港町でもない、かなり特別な場所です。温泉津港は大森の、いわゆる石見銀山で産出した銀を各地へと運ぶ銀の積出港でした。ここにも北前船が寄港し、江津などと同様、大いに反映しました。沖泊という地区は深い入江になっており、銀の積出にはかなり好条件がそろっていたとのこと。ここまで高価なものを多く積み出していた港もそう多くないでしょう。2007年に石見銀山が世界遺産に登録されると、その構成遺産の1つとして、温泉津の町の世界遺産となりました。世界遺産の温泉地という、特別なものなのです。


石見銀山があった場所、昔は佐摩村だったそうです

ゆうゆう館

細い道に宿などが建ち並ぶ温泉街。公衆浴場は2つ、薬師湯と元湯。この日は元湯は定休日だったので、迷わず薬師湯へ。外観からあふれ出るレトロさ。温泉としての評価はかなり高く、温泉目当てで来ているのですが、そうでなくても引き寄せられる魅力を放っています。大き目の浴槽が一つだけの、比較的簡素な浴室。しかし成分がかなりの濃さ。床を波打つように湯の花が析出しており、泉質の良さを感じさせます。番台のおばあちゃんが身体によい入浴方法を丁寧に教えてくださり、温まっては浴槽の外で少し身体を休めて温まりを繰り返す、最高のひとときです。温泉津温泉は湯治客も多いそうですが、これは確かに身体に効きそう。
この薬師湯ですが、屋上にバルコニー的なスペースがあります。温泉津温泉街を上から見下ろすことができ、赤瓦が細道に沿って軒を連ねる様子が見られます。暑い時期ではあるものの風はそれなりに心地よく、湯上りには良い休憩になりました。








ということで、江津と温泉津でした。どちらも津とつくように北前船の寄港地として栄えた港。その歴史情緒を味わいながらの訪問ができて何よりでした。特に温泉津は、今までの温泉の中でも指折りの良さ。再訪を楽しみにしたいと今でも思っています。
それでは。ありがとうございました。



